築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)
最近の話題(13)
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消費税!
(二種類の負担)
消費税の負担者は消費者である国民です。消費者が買い物をする際には価格に消費税相当額を上乗せして支払います。商品を販売する事業者も仕入の際に消費税を支払っていますが、この分は消費税を納税
する際に消費者から受け取った消費税から差し引くことができます。ですから、事業者には消費税の負担はないということです。
今年4月の消費税率アップが国民の消費行動に与える影響は鮮明です。消費者の収入が不変であるとすれば、消費税率アップ後は増税された消費税額相当額が支出増となるため購買量を減らさなければならな
いからです。
事業者は税率アップの影響がないかといえば、実は影響があります。いわゆる消費税相当額の「価格転嫁」の問題です。増税後の仕入時の消費税増加を価格に転嫁できていない場合であっても、納税の際には
アップ後の税率で受け取ったとして計算しなければなりません。
事業者が消費税を納税するのは事業年度終了後です。例えば、事業年度が平成25年10月1日から26年9月30日の場合、平成26年10月1日以降です。この事業年度の内半年間は消費税率アップ後です。業
績が前事業年度(平成24年10月1日から25年9月30日)並みであったとしても、価格転嫁が十分でない場合には消費税を納税する負担は増します。
これから事業者は続々と新税率で消費税を納税しなければなりません。すでに事業者の悲鳴が聞こえています。この消費税の二種類目の負担が景気に影響を与えるのはこれからなのです。
2014年12月13日
公認会計士 築山 哲
相続税対策
(大切なのは相続後の生き方)
来年(平成26年・2015年)の相続から相続税が増税されます。来年以降に人が死亡した場合、その遺族に課税される相続税が増えます。増税に作用する最大の計算要素は基礎控除の縮小です。従来は遺族
が妻と子2人の場合、遺産が8000万円までは相続税が課税されずに済んだのが、この基礎控除が6割の4800万円に縮小されます。庶民でも(?)相続税と無関係ではいられなくなったのです。
相続税の節税対策ビジネスは大盛況です。相続税は遺産の時価に課税されることから、「遺産そのものを減らす」「遺産の時価を下げる」ことが相続税対策が目指すところです。前者は生前贈与、後者は相続税の
計算上の時価が低い財産へのシフトということになります。節税対策ビジネスの背後には、「(相続税を)払わないで済む方法がある」ということを臭わせています。それが、消費者の本能をくすぐるのです。また、
「相続税を払えば・・・」という恐怖心を煽り立てます。
相続税対策で大切なことは相続後の各遺族の生き方です。相続後、各遺族が「どこで」「どのようにして」収入を得て生きていくかです。相続の前後で生活が激変する遺族もいれば、まったく変わらない遺族もいるで
しょう。その変化に相続税を加味して、生活に困窮してしまう場合にのみ相続税対策が必要となるのです。しかし、そのような人はほとんどいないと思います。
相続税対策をしたがために人生が狂う場合もあります。節税対策の仕組みを知れば容易に気が付きます。しかし、多くの人は気付こうともしません。嘆かわしいことです。
2014年11月16日
公認会計士 築山 哲
円安のメリットとデメリット
(消費者はいかにして為替変動に適応すればよいのか?)
雨乞いをするかのように待ち望んでいた円安であるのに、最近では円安による悪影響のほうが目立ち始めています。円安がわが国経済にメリットをもたらすというシナリオは、自動車や電機など稼ぎ頭である企業
の収益回復を期待するというものです。外貨で決められた輸出価格は1ドル=80円よりも1ドル=100円のほうが円換算した額は大きくなります。国内の生産価格が一定であるとすれば利幅は増えます。
自由主義経済の下では、企業も人も自身が有利になるように行動します。一番得をするような手段を選ぶのです。この行動や手段は状況によって変わってきます。円安のときには円安のときの、円高のときには円
高のときの行動や手段があります。2008年秋のリーマンショック以降進んだ円高に対して、わが国の輸出企業(自動車や電機メーカーなど)は為替変動の影響を回避すべく国内の生産拠点を海外に移転させまし
た。これは、「円高になれば海外で生産して、円安になれば国内で・・・」というものではなく、為替変動の影響を回避するものです。ですから、もう国内には戻ってこないのです。
企業は過去における度重なる為替変動の経験から海外に生産拠点を持つという術を会得しました。しかし、消費者である国民はいまだなす術がありません。消費者が為替変動に適応することは、あらかじめ自然
災害から逃れること以上に難しいと思います。問題はここにあります。経済がグローバル化された昨今では、国民は輸出入と無関係に生活できません。世界の動きは不吉さを増しています。これをどうするかで
す!
2014年10月10日
公認会計士 築山 哲
膠着
(変化は必ず起きる)
このところの株や為替の動向を説明するに際して、膠着(こうちゃく)という言葉がよく使われています。動かないという意味です。今年になってから株価も為替相場もほとんど水準が変わりません。
安定も膠着も見た目は同じかもしれません。しかし、安定は行き着くべき状態であるのに対して、膠着は進むべき方向を探っている状況です。安定は平和ですが、膠着はこの先どうなるのかわかりません。膠着に
は閉塞感があります。先が見えないからです。
リーマンショック以降、あれだけ待ち望んでいた「円安」ですが、今ではその弊害のほうが大きいようです。輸入品の価格上昇が国民の生活と企業業績を圧迫し始めています。「円安メリット」を享受するはずの輸出
産業は、超円高時代に為替動向に業績が左右されないよう軸足をすでに海外に移しています。
アベノミクスは「円安政策」にほかなりません。円安では政策効果が期待できないどころか、弊害のほうが大きい昨今です。アベノミクスでは「円高政策」のシナリオも用意しているのでしょうか?ここが一番不安で
す!
2014年9月9日
公認会計士 築山 哲
消費税率アップの影響
(想定はしていたけれども)
やはり、消費税率アップの影響は大きいです。生活も事業も苦しいです!
消費者(国民)は日常の買い物をする都度増税を実感しています。「3月までは・・・」「去年とは・・・」と日々感じています。事業者は仕入や諸経費が増えたことを実感するとともに、すでに始まっている新税率での申
告納税時の負担に喘ぐ事業者が続出しています。「こうなることは分かってはいたけれども・・・」が納税者の本音です。預かった消費税を別途保管している納税者など皆無です。
この4月以降、零細な個人経営の飲食店や小売店の廃業が増えているように思えます。販売価格には転嫁できないけれども仕入価格や諸経費は増えるという、消費税率アップの価格への転嫁が困難で経営難に
陥る典型例です。
4〜6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比マイナス1.7%、年率換算マイナス6.8%と大幅に落ち込みました。4月からの消費税率アップを前にした3月までの駆込み需要の反動が理由でしょうが、今回の落
込みは前回消費税率をアップした97年後も大きいです。
「7月から9月」の経済指標が10%への引き上げの判断材料になります。昨年秋に8%を決断したときとは明らかに状況は違います。どうなるのでしょうか?
2014年8月17日
公認会計士 築山 哲
人手不足は本当か?
(風評に終わらせてはいけない)
最近、人手不足が話題になっています。牛丼チェーン店は人手不足を理由に新規出店の延期や既存店舗の閉店をしました。ブラック企業の代表といわれている大手居酒屋チェーンも似たような状況のようです。
大手衣料品小売店も人材をつなぎ留めるために従業員の処遇改善をしました。
人手不足は本当なのでしょうか?
もし、労働者、それも若年労働者の気質の変化から正当で合法な厳しい労働に耐えられなくなったのであれば人手不足とはいえないでしょう。このような人手不足を外国人労働者で補っているようでは、いずれ我
が国の雇用は外国人に奪われてしまいます。ともあれ、本当のことを調べる必要があります。風評ではいけません。自殺者も出ているんですから。ネット上で一時期だけ盛り上がる話題ではいけないのです。
★笑顔がない(元気がない)
★客と目を合わせようとしない(常に怯えている)
最近、このような店員やセールスマンが増えたように思います。客から、「安くしろ」「早くしろ」「もっとサービスをしろ」「ネットで調べたぞ!」としかいわれないからです。
これではどうにもなりません。このあたりから改善しなければなりません。
2014年7月12日
公認会計士 築山 哲
消費税率は10%、法人税率は20%
(安倍総理は一発屋で終わるのか?)
消費税率10%(この4月に5%から8%に引き上げられた)、法人税率20%(現行は25.5%、2年ほど前までは30%だった)はどうやら「既定路線」のようで国民は抵抗する術がありません。
この春の消費税率アップは国民生活を直撃しました。小売店や飲食店の売上の落込みは想定の範囲内というものの、この先、売上を挽回できるのは価格競争に打ち勝てる企業に限定されてくることでしょう。来年
10月には消費税率は10%に上がります。今年3月まで5%であったのと比較すると1050円の商品が1100円になります。国民はさらに安さを求めて歩き回ります。これではデフレ脱却など望めるはずがありま
せん。
法人税率の引き下げは国民生活とは直接関係がありません。法人税率を引き下げる理由は企業の国際競争力を高めるためです。法人税も企業にとってコストですから、この負担が減れば競争力は高まります。
国際競争力を高め輸出を増やす、海外で稼いだお金を国内に持ち帰るというのがシナリオです。しかし、このシナリオが当てはまる企業は一握りでしょう。それ以外の企業は法人税の負担が減った分を内部留保
するに違いありません。法人税の減税は我が国の経済を牽引していくことができる企業に限定すべきです。国民を幸せにすることができる企業はとことん強くすべきですが、コスト削減による生き残りしか考えてい
ないような企業を国が後押しする必要はありません。
安倍総理のアベノミクスも2012年12月から2013年5月までの爆発的な株価上昇と円安進行以来まったく成果がありません。成果がないどころか、最初の成果で調子に乗っているとしか思えません。安倍総理
は「一発屋」で終わってしまうのでしょうか?
2014年6月17日
公認会計士 築山 哲
消費増税による駆け込み需要の反動は想定の範囲内
(世論操作はほどほどに)
消費増税に備えての3月までの駆け込み需要の反動が4月以降起きることが心配されていましたが、現時点では最も危惧されていた小売店や飲食店の売上の落ち込みは想定どおりのようです。また、事業者の
消費増税分の価格への転嫁も順調に進んでいるようです。
それにしても気になるのはアベノミクスの神通力が失われつつあるということです。安倍内閣発足時の株価や為替の水準からすれば、「誰が総理であっても」大胆な金融緩和をする「決断さえすれば」株価は上昇し
為替は円安方向に進みました。ですから、この経済政策は個人名を付すほどのものではありません。引き金を引けば当然の結果だったのです。
年明けから株価は下落が続いています。外国人投資家の日本株離れが起こっているようです。為替は1ドル100円そこそこです。各国間の通貨安競争の前では歯が立ちません。
政治に世論操作は付き物です。世論操作は必要なのです。国民の不安を駆りたてるような世論操作、小泉政権時代の「痛みを伴う・・・」はいけません。かといって、現状を無視した方向へ誘導する世論操作もいけ
ません。これからは、誰でもできる経済政策と精神論だけの世論操作だけではなく、安倍内閣ならではの政策を期待したいです。
2014年5月7日
公認会計士 築山 哲
4月から通勤手当が減った
(橋下大阪市長の功績?)
この4月からの消費税率アップは様々な商品やサービスの料金を押し上げ、企業の資金繰りや家計を刻一刻と圧迫し始めています。そんな中、大阪市は地下鉄の料金を特定の区間で値下げをしました。4月から
全国津々浦々で、交通機関を利用して通勤や通学をする人の費用がアップしましたが、大阪市の地下鉄を利用するケースでは料金が減るケースが生じています。
これも橋下さん(大阪市長)の功績です!と思いきや、値下げは民営化することが前提で、民営化されない場合には再び料金は元に戻ると発言しているようです。要するに、「民営化されればコスト(料金)は下が
る」「民営化されない場合にはコスト(料金)は今までのまま」、「皆さん、どちらを選びますか?」という橋下さん得意の戦法です。
橋下さん(日本維新の会)も「旬は過ぎた」といわれています。活躍していた人や集団がピークを過ぎて表舞台から消え去るとき、人々は彼らの悪事のみを強調しがちですが、「功罪」で考えれば多くの場合はプラス
です。
こんなに人々を好き勝手に掌で弄んで、散々振り回して不快感だけを残して去っていけば、もう二度と表舞台に出てほしくないと誰でも思うでしょうね・・・
2014年4月9日
公認会計士 築山 哲
Windows8が少しずつ普及している模様
(変化は誰にも止められない。)
WindowsXP、本当に長期にわたって使用されたOSでした。この使い慣れた道具を手放すのは本当につらいことでしょう。また、新たなOSを導入するためのコストは大きな負担です。
XPのサポート終了をセキュリティの面から説明することが多いです。しかし、XPは発売されてから10年以上も経過しており、その間のPCの使用方法やPCで作成するデータの変化に、XPという古い構造のOSで
はもはや適応不能な面があることは否定できません。XPでは閲覧することができないサイトが増えています。不評な8のタッチパネルもPCを使う状況によってはとても便利です。
あれだけ評判の悪かった、というよりも拒絶されてきたWindows8が、少しずつですが普及しているようです。このことを見逃してはいけません。変化しているということです。
「慣れないことをすると危ないので(XPの後継である7を使う)」では、世の中の変化から取り残されるのです。
2014年3月18日
公認会計士 築山 哲
円安に消費税増税の駆込み需要
(株安は影響なし!)
年明け以降、株価の下落が続いていますが、現在のところ実体経済には影響がないようです。年明け以降の下落を差し引いても、リーマンショック後の「超低迷」よりもはるかに高いからです。いわゆる資産効果は
今も続いています。
円安は、わが国の基幹産業とええる自動車や電機メーカーの業績を大幅に向上させています。この波及効果はとても大きいです。一部の上場企業はこの春にはベースアップを行うようです。そうなれば、個人消費
を刺激することでしょう。消費税の駆込み需要は思いのほか大きいです。確かに「一過性」かもしれませんが、久々に「余裕」が持てたと感じている事業者も多いです。4月の税率アップ後の落込みをカバーできそう
な勢いです。
現時点では、合格点だと思います。さらには、まだまだ上を目指せるような雰囲気です。株式市場には割安な銘柄がゴロゴロしています。為替は、リーマン前の1ドル=120円まで、まだ20円もあります。安心です
よ。安心!
2014年2月15日
公認会計士 築山 哲
2014年問題?
(当分は快晴が続きそうですが・・・)
2014年問題という言葉があるそうです。「年問題」はよく話題になりますが、2014年問題と聞いて何かを懸念する人は非常に少ないのではないでしょうか。しかし、いつの時代もリスクは潜んでおり、自らを戒めな
がら行動しなければなりません。
2014年問題として取り上げられている主なものは次のとおりです。
■WindowsXPのサポート終了
2014年問題の代表といえるでしょう。しかし、多くの企業や人は2013年中に対応済みですので2014年問題と呼べるかは疑問です。
■北陸新幹線の開通(上越新幹線沿線への影響)
沿線の住民や頻繁に利用する人以外には無関係かもしれませんが、交通機関の登場と消滅は関係者の利害や生活に多大な影響を与えます。
■国内造船業の受注残がゼロになる
従来から造船業は一定のサイクルで受注が激変してきた業界ですが、2014年はとうとう受注残がゼロになり、業界再編が待ったなしの状況だそうです。
世の中が悪い方向へと進むきっかけが人知れず起きた出来事が少しずつ波紋を広げるというパターンは結構多いです。「2014年問題」、他山の石ではありませんよ!
2014年1月10日
公認会計士 築山 哲
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