築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)

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税務調査について
(内容)2014年7月23日現在

税務調査が変わった?

ネット上で「税務調査」と検索すると、2013年(平成25年)から「税務調査の方法が変わった」という情報にヒットすると思います。

そのとおりです。「国税通則法」という税務調査の手続を定めた法律が改正されたのです。相当変わりました。一言でいえば、「手続が増えた」ということです。従来は、「調査官」「納 税者」「税理士」が口頭(しかも電話)で済ませていたことが書面で行われるようになりました。また、税務署の「決裁」も複雑になり結論が出るまでに日数を要するようになりました。

時代の流れですよ!
証券会社や銀行で投資信託を買うにしても、長々とした説明を受け、さらには膨大な書面に目を通した後に、申込書や契約書など何通もの書類に署名押印しなければならないのと 同じです。

国税通則法の改正後、いまだ日が浅いことから「新税務調査」についての事例も少ないです。ですから、下記の説明も当分は「旧税務調査」のままにしておきます。ただし、上記のと おり、変わったのは税務調査の方法です。ですから、従来は「アウト」になっていたことが「セーフ」になるとかいったことはありません。納税者や税理士としては、従来と同じスタンス を崩してはいけないのです。

【参考・国税庁サイト】
「国税通則法等の改正(税務調査手続等)」について

1.税務調査の選定基準は

事業者の場合、法人・個人とも基本的には3年ごとに調査対象とされるようです。しかし、税務署の人員も限られているため、申告数値に何らかの異常性がある事業者や、前回の 調査で重大な修正事項や不備事項がある(改善状況を確認しなければならない)事業者に対して重点的に調査を行う傾向にあります。

2.調査を受ければ必ず追徴課税される

そんなことはありません。
上記1.のとおり、調査対象とされる事業者の申告数値には何らかの異常性があります。そこで、修正事項がありそうなので調査対象に選定され、その結果修正事項が発見されて 追徴課税されると考えるのが正しいといえます。税務署は全く否認事項のない納税者から、無理やり追徴課税するようなことは絶対ありません。

3.異常な申告数値とは

一言では表現できません。いつも当事務所のお客様に説明する場合、「どの世界でもその世界の人が見れば一目瞭然のことがあります。税務も同じです」と申しあげています。

4.調査を断ることはできるか

完全に拒否することは困難ですが、日程の変更や調査場所についての要望(登記上の本社ではなく事実上の本社で調査を行う)は認めてくれます。

5.税理士に依頼すれば税金は安くなる(調査で問題を指摘されない)

そんなことはありません。
特に、仮装や隠蔽による所得隠し、明らかな税法上の誤り、法定された帳簿書類の不存在や不提示を税務署に正当化できる税理士などいません。これらが指摘されなかったとして も、それは「偶然」にしかすぎません。
「先生の顔で助かりました。次もよろしくお願いします」では、将来とんでもない目にあいます。

6.私は知らないので

税務調査で重大な問題点が発見された場合に、「私は知りません、全て(経理担当者と税理士に)任せてありますから」といわれる社長さんがいらっしゃいます。それをいってしまえ ば税務署は、急に税理士や経理担当者の発言を信用しなくなります。「社長さんにご足労いただきたいのですが」と、社長さんとの面談を強行に要求してきます。
税理士や経理担当者は全て任されたならば必ず正しい申告をします。危ない節税(場合によっては脱税)の恩恵(?)を享受するのは社長さんだからです。

7.反面調査されたくない

税務調査の一環として調査対象事業者の取引先に確認作業を行う、いわゆる「反面調査」が行われることがあります。そして、反面調査が原因で取引先との関係が悪化するのも珍 しくありません。
反面調査が行われるのは、調査対象事業者の帳簿などで十分な結果を得られない場合に限られます。つまり、備えるべき帳簿がない(あったとしても提示しない)、帳簿の内容が 不明瞭かつ不正確な場合です。
「取引先との関係悪化防止」のみを理由に、反面調査を拒むのは困難と考えたほうがよいです。

8.調査の事前通知は行われるのか

税務署は、事前に納税者か関与税理士に調査を行う旨を通知し日程や場所についての調整を行います。しかし、事前通知が「有効な調査の妨げ」となる場合には、事前通知なし に調査が行われることがあります。有効な調査の妨げとは、事業者が事前通知を受けてすかさず帳簿書類を隠したり、改ざんしたりするおそれがある場合などです。事前通知のな い調査を「急に来られても困る」との理由だけで拒むことは困難と考えたほうがよいです。無予告調査は、税務署が過少申告していることについての確たる証拠を得ている場合に行 われます。これは、過去の税務調査時の状況や取引先からの資料収集の結果であります。

9.ニセ税務署員

税務署員は調査開始に先立って、必ず税務署員である旨を告げるとともに身分証明証を提示します。事前通知も無く、税務署員と名乗るものが現れた場合はこの点にご注意くださ い。
ニセ税務署員を相手にしなくてもよいのは当然です。速やかに関与税理士か所轄の税務署に連絡してください。

10.調査官への昼食

必要ありません。(昼休み中は、調査官と一切接触する必要はありません。)
もし、昼食を差し出したとしても調査官は拒みます。調査官は外出して、あるいは持参した弁当などで昼食を済まします。 
「印象が悪いから」「大変そうなので」とか考える必要はありません。

11.記帳をほとんどしていない場合

記帳は事業者の義務です。この義務を果たさないことを正当化する手段はありません。帳簿がない場合は、通帳、領収書、請求書などの基礎資料で申告書作成の過程を説明する しかありません。しかし、これでは十分な説明ができるとは思いませんし、そもそも、どうやって決算・申告をしたかについて疑われます。記帳不備の場合には「青色申告の取消」も ありえます。そうなれば、税法上の各種特典が受けられなくなります。

12.データがパソコンの中にしかない

そのデータが「電子帳簿保存法」に対応していないなら紙への出力が必要です。調査開始までに出力しておいてください。

13.わが社は調査が多いのでは

過去の調査で多額の修正事項がある、記帳に不備(帳簿を提示しないことも含まれます)がある場合は、数年後に再度調査が行われるのが通例です。
決して悪びれることなく税務署の指摘を冷静に解釈し、改善すべき事項は改善しなければなりません。税務署は、必ず進歩に気がついてくれます。そして、いずれは税務署も来なく なります。

14.帳簿をみせるから追徴課税される

今までの説明で、「誤った(損な)考え」であることを十分ご理解いただけるかと思います。
《税務署員による帳簿類の複写と税務署への持ち帰り》
税務署員が帳簿類の複写を求める、場合によっては帳簿そのものを税務署に持ち帰ることがあります。この場合、「詳しく調べられたら・・・」と拒否するのは賢明でありません。なぜ ならば、「それならば書き写させていただきます」「明日、もう一日お伺いさせていただきます」「また、色々と質問もさせていただきます」となるからです。
ただし、使用中の通帳など持ち帰られると支障が生じるものについては拒んでもかまいません。(なお、税務署は持ち帰りの場合には「預り証」を発行します。)
《税務署員の守秘義務》
税務署員が税務調査で得た情報を、職務以外の目的に使用してはいけないのは当然のことです。

15.税理士に調査の全てを任せたい

税務署は帳簿書類の調査の前に会社の概況を把握します。大規模な会社ならともかく、中小零細企業の場合には代表者への質問で概況把握が行われます。付き合いたくない相 手でしょうが、一時間程度で済みますのでこの場面は必ず代表者が対応し、後は経理担当者か税理士に任せてください。なお、特定の入出金について代表者や担当の従業員にし かわからない場合がありますので、その際は適任者が対応してください。

16.修正申告したくない

調査の結果、修正事項(当初申告税額よりも税額が増える事項)がある場合、税務署は「修正申告書」の提出を求めてきます。これはあくまでも納税者が自発的に行うものです。も し、税務署の指摘事項に反論の余地がある場合は安易に修正申告する必要はありませんが、反論の余地が無い場合は税務署の指示に従うしかありません。
修正申告書を提出しない場合、税務署は「更正」により追徴税額を確定してきます。この更正を覆すには確かな論理とそれを裏付ける証拠が必要です。

17.調査が不安で夜も寝られない

もし、自身の非が明らかだと思える場合は、税務調査を待たずして自主的に修正申告されることをお勧めいたします。加算税(税額を少なく申告したペナルティ)が少なくなる場合が あるからです。なお、このような扱いになるのは、申告して直ぐに誤りに気がついて自主的に修正申告する場合に限られてくると思います。
自主的に修正申告をしたからといって税務調査が省略されるわけではありません。特に、税務調査の通知を受けてから「自主的に修正申告をいたしますのでペナルティを軽くしてく ださい。また、税務調査は止めてください」は絶対に認められません。
要するに、税務署は「本当に正直に修正したか?」「ほかに修正事項は無いのか?」と考えるわけです。

18.追徴税額はいつ納税するのか

修正申告書提出後、直ちに納付しなければなりません。しかし、資金繰り上そうはいかないこともあります。その場合は税務署の管理徴収部門に相談してください。いくつかの方法 (分割納付など)を検討してくれます。
なお、管理徴収部門は確定した税額を徴収する部門です。この部門との交渉で追徴税額が増減することはありません。

19.政治家、大物実業家、著名人などに調査の解決を依頼したい

税務調査で税務署の指摘事項に対して意見を述べられるのは、代表者(納税者)、役員、従業員、関与税理士などの直接的な関係者に限られます。誰であれ、自身とは無関係な 税務調査に口を差し挟むことはできません。

20.私の「押し」で

やってみてください。
税務署はいくらでも受けて立ってくれます(税理士としてはご遠慮させていただきます)。しかし、「押し」だけで税務署に勝つことは絶対にできません。

21.前回は指摘されなかったのに

一度の調査で全帳簿を詳細に調べるのは不可能で、数回の調査で全範囲を調べます。ですから、前回の調査で指摘されなかった事項についても油断は禁物です。特に調査終了 時に調査官が、「今回は詳しく調べませんでしたが」と告げたときには注意が必要です。

22.推計値による申告

「税金は交渉で決る」、いまだ根強く残る「偏見」です。
たしかに、「記帳を全くしていない」あるいは「帳簿を税務署に一切提示しない」会社があります。その際、税務署は「推計値」で税額を算出するしかありません。まさに「苦肉の策」で す。このような場合、「重加算税」「青色申告の取消」「取引先への反面調査」「次回の事前通知のない調査」は当然と覚悟しなければなりません。
減価償却や消費税の簡易課税など、税法には推計値(税法で定められた見積や仮定)で計算する場合があります。しかし、法人税、事業所得者の所得税、消費税において「納税 額全体」を推計値で計算することは一切認められていません。
なお、税務署がやむを得ず「推計値」で申告を促す場合に用いるその算出根拠(業種や規模別などの基準)は一切公表されていません。また、税務署が算出する推計値は納税者 が希望する数値よりも相当高水準で、「ごね得」はないようです。

23.よそもやっているのに

たしかに「運不運」はあります。しかし、明らかに非がある場合はあきらめるしかありません。
どうしても納得いかない場合は、税務署に他の会社のことを「密告」するのも一法です。密告された内容次第では税務署も動きます。そうすれば少しは気が済むのではないでしょう か。

24.査察の調査(通称マルサ、脱税犯を告発するための強制的な調査)

申し訳ありませんが、当事務所では対応いたしておりません。
査察の場合、事前通知はなく、反面調査も一切拒めません。帳簿類の押収も当然です。また、ほとんどの場合、調査終了後に舞台は刑事法廷へと移ります。もはや、税理士の出る 幕ではありません。
【ご注意】このページは、査察以外の通常の税務調査を前提としております。査察の税務調査につきましては下記の国税庁サイトをご覧ください。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/01.pdf

25.なぜ、もっと早く指摘してくれなかったのか

税務調査は遅れてやってきます。また、調査を重ねるごとに厳格になる場合もあります。
そこで、「税務署なんてあんな程度か(笑)」と侮り、ついついエスカレートしてしまうものです。何よりも悲惨なのは、業績下降期に全盛期の調査が行われることです。「無いから払え ない」は通用しません。払うべきものを使ってしまったのですから。

26.地方税!?

税務署は「国税」についての職務を行いますが、税務調査の結果は「地方税」(都道府県や市町村)の関連役所にも報告されます(注1)。ですから、税務調査で追徴課税された場 合には地方税も「自動的に」追徴課税されることになります(注2)。
(注1)消費税や相続税などの税務署のみが事務を扱う税は税務署への申告と納付のみとなります。
(注2)個人の所得税の場合には自動的に報告されますが、法人税の場合には自身で申告しなければなりません(放置しておいてもいずれは税務署から報告されます)。

27.疲れ果てた・・・

税務署の思いもよらぬ厳格な態度に心労が重なり、体調を崩してしまうことも珍しくありません。当然、このような場合にはひとまず「停戦」してもらえます。しかし、体調の回復があま りにも遅れる場合には更正や決定になると思います。「うやむや」にしてもらえることはないでしょう。
《調査の以前から体調が不良な場合》
当初、調査の通知を受けたときに日程を変更してもらえばいいです。
《体調を崩したのは税務署のせいだ!!》
税務署が「精神的に追い込むような方法をとった」「本人の身体的事情を考慮しなかった(例えば調査への協力のため必要な通院を許さなかった)」などの事情がない限りは税務署 への責任追及は無理でしょう。詳しくは弁護士に相談してください(有料)。
《仮病・・・》
無駄です。見破られてしまいます。

28.どうせ税理士に頼んでも

「税理士は税務署の味方ばかりする。調査になれば、率先して税務署に帳簿をみせる。納税者の味方ならば、できるだけ早く税務署を追い返してほしい」。よく聞く言葉です。
現行の税制は企業の記帳義務(決算書を作成している)を大前提としていますので、記帳義務そのものを覆すことは不可能です。
しかし、この記帳義務を果たす方法は企業の業種、規模などにより大きく異なります。納税者に最も適した記帳方法を考え出すことは税理士の重大な役目です。また、税法は処理 の選択適用を認めていることが数多くあります。税理士が依頼者に有利な方法を選択して申告するのは当然です。
なお、税務署員といえども人間でので、ときには誤った判断をすることもあります。その際、税理士は依頼者の立場に立って猛然と反論し必ず納税者を勝利に導きます。
税理士も依頼者の立場に立っているのですが・・・。ご不満でしょうか?

29.もう、駄目だってことですか・・・

税務調査の最終的な結論は、現場での調査が終了したその場で直ちに出すのではなく、若干は反論の機会を与えてくれます。税務署の指摘事項を覆せる材料が見つかった場合 には「逆転!」もありえます。税務署の指摘事項を検討し、事実認定や税法解釈に間違いがある場合には反論できるのは当然のことです。


弁護士は極悪人の弁護をしているではないか!?

税理士は、もっと納税者の要望を聞け!!

返答に困ります(無力感を感じます・・・・)。

弁護士は、極悪人の「基本的人権」を擁護しているのでしょう。弁護士は基本的人権の擁護と社会正義の実現という重責を背負っています。一方、税理士は納税者の依頼に基づ き、ある意味で納税者の下請けとして、税法に従って事務的に業務を行うにすぎません。つまり、税理士は、「納税者が自身でするのが煩わしいこと」を代行する存在でしかないの です。それを証拠に、税理士への依頼は法的に義務付けられていません。一方、刑事裁判においては必ず弁護士が必要です。そんな、税理士に過大な期待を抱くのは禁物です。 つまり、刑事裁判の場合には必ず弁護士が無報酬で弁護をしてくれますが、税金(税務調査)で困っていても無料で助けてくれる税理士はいないということです。

ほとんどの先進資本主義国には、税理士制度が存在しません。(ドイツには類似する制度が存在します。)わが国において、税理士資格を得る方法は、税理士試験という大変厳格 な国家試験(わが国の国家試験の中でも最難関クラスです)に合格するだけでなく、税務署での一定期間の勤務経験(世間では、税理士=税務署OB=税務署と考えているのが 実情ではないでしょうか)、公認会計士や弁護士からの横滑りなど多様な方法があります。これは、税理士の職務に弁護士のような重みがないので、税理士の資格要件を厳格に 定める必要がないことによります。

税理士には税額を確定する権限はありません。まずは、納税者が自主的に申告し、その税額が間違っていれば税務署がこれを修正するのが申告納税制度です。

《事前相談と事後相談》
税理士と弁護士のもう一つの違いとして、「税理士業務(申告書作成)が事前相談」であるのに対して、「(刑事裁判における)弁護士業務は事後相談」であるという点です。弁護士 は極悪非道な殺人犯の事件後の裁判においての弁護はするでしょうが、「人殺しをしたいという事前相談」には当然「NO」と答えるでしょう。

《頼もしい税理士!?》
「俺の関与先に事前通知なしに調査をするなんて承知しない!」「反面調査なんてもってのほかだ!」と、ごく少数ですが大変頼もしい税理士もいます。
確かに、税務調査の方法についての法的な解釈は分かれます。しかし、税務調査を無制限に拒めるならば、申告納税(法人税や所得税など)による租税収入は最終的にはゼロに なってしまいます。申告納税制度においては納税者の自主的な解釈や選択を認めることと引き換えに、税務署調査という「痛み」に耐えることを求めているのです。


訴えてやる!!(調査の結果に納得できない!!)

税務調査の結果にどうしても納得できない場合、裁判で税務署と争うことができます。詳しくは、下記の「税務調査について(その2)」をご覧ください。


「税務調査について(その2)」へ進む

「八百長?税務調査」と題して、このページとはやや違った視点から税務調査について説明しております。
≪八百長?税務調査(「税務署に対する顔」の真実)≫
≪訴えてやる(調査の結果に納得できない)≫
≪税務訴訟の実際≫
≪違法な税務調査≫
≪税務調査の一般的手順(事業者の場合)≫

税金申告の裏技!?
個人事業者を前提にしておりますが、法人の場合にも参考にしていただけると思います。

消費税の税務調査
2004年4月から、免税事業者と簡易課税が適用できる事業者の範囲が大幅に縮小されたことにともない、従来は税務調査の対象とならなかった事業者に対する調査が強化され るものと思われます。


税務調査が変わった?


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)


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