平成28年分(2017年3月申告)

所得税確定申告情報(4/9)

 

 

≪一時所得≫

 

一時所得とは、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得に該当しない所得であること」「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得であること」「労務その他の役務または資産の譲渡の対価としての性質を有しない所得であること」のすべての要件を満たす所得です。

一時所得の金額は、「(総収入金額−収入を得るために支出した金額)−特別控除額50万円」として計算します。

 

一時所得の具体例としては次のものがあります。

 

●懸賞の賞金品、福引きの当選金品など(業務に関して取得するものを除く)

●競馬の馬券、競輪の車券の払戻金など

●生命保険契約などに基づく一時金

●法人から贈与により取得する金品(業務に関して取得するもの、継続的に取得するものを除く)

 

一時所得は申告を忘れがちです。生命保険の満期保険金や解約返戻金、勤務先などからの給与以外に受けた対価で給与所得とはならないものなどの申告漏れが目立ちます。これらの所得は、支払者が一定のものについて税務署に報告するルールになっていること、支払者の税務調査の際に把握されることがありますので、税務署に申告漏れが把握されやすいのです。くれぐれもご注意ください。

なお、一時所得になるものの中には非課税のものがあります(損害保険契約の保険金や生命保険契約の給付金うち一定のもの、相続税や贈与税の対象となるものなど)。迷われる場合には所轄の税務署に相談してください。

 

《収入を得るために支出した金額》

事業所得や不動産所得における「必要経費」よりも狭い概念です。つまり、「必要経費」が収入に対して直接的であるか間接的であるかにかかわりなく事業に関する支出であるのに対して、「収入を得るために支出した金額」は収入に対して直接的な支出に限られます。例えば、満期保険金を受け取った場合には、支払った保険料が「収入を得るために支出した金額」となります。

 

《満期保険金の申告を忘れていた場合》

生命保険などの満期保険金は典型的な一時所得です。満期保険金については保険会社から税務署に報告がされますので(支払調書の提出)、申告しなかった場合には必ずばれます。税務署から呼び出されて申告(あるいは修正申告)をさせられます。 

 

 

≪雑所得≫

 

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得です。

 

雑所得の具体例としては次のものがあります。

 

●公社債の償還差益

●生命保険契約などに基づき支払を受ける年金

●動産の貸付け、金銭の貸付け、原稿料などによる所得で事業から生じたと認められないもの

●公的年金など

 

雑所得の金額は、(公的年金等の収入金額−公的年金等控除額)+(公的年金等以外の収入金額−必要経費)として計算します。

 

一時所得と同様、申告を忘れがちです。これらの所得は、支払者が一定のものについて税務署に報告するルールになっていること、支払者の税務調査の際に把握されることがありますので、税務署に申告漏れが把握されやすいのです。くれぐれもご注意ください。

なお、雑所得になるものの中には非課税のもの(遺族の受ける恩給や年金など)があります。迷われる場合には所轄の税務署に相談してください。

 

《副業の収入》

副業という言葉は俗語であり、例えば商社に勤めながら勤務終了後や休日に執筆、スポーツなどのインストラクター、不動産投資、ネットビジネスをしてわずかな収入を得ていることをいいます。副業が直ちに雑所得になるのではなく、その収入が利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない場合に初めて雑所得となります。「副業=雑所得」という考えは大変危険です。

 

《貸付金の利息》

個人および会社にお金を貸してその利息をもらっている場合には雑所得となります。この利息は税務署に筒抜けとなっていることがありますので注意が必要です。なぜならば、貸付先が事業をしている場合には利息を経費として処理し帳簿に支払先を記載しており、税務署がその受取人が申告しているかを追跡調査する場合があるからです。また、貸付先が事業をしていなくても何らかの原因、例えば不動産や高額な車両を購入したことからその資金出所を税務署に調べられ、その資金の出所としてリストアップされたのをきっかけにして追跡調査される場合があります。

 

《個人年金》

雑所得として申告が必要です。個人年金は1980年代から普及し始めました。そろそろ、個人年金を受け取る人が増え始めているのではないでしょうか。 

 

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