築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)


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公認会計士と税理士の違い
(内容)2014年7月23日現在


公認会計士は税理士となる資格を有し、税理士登録する(税理士会に入会する)ことにより税理士と称して税務(税理士の独占業務)を行うことができます。つまり、公認会計士は税理士試験を受験したり、税務署 に一定期間勤務したりすることなく税理士になれるということです。(公認会計士のほか弁護士も税理士となる資格を有します。)

一方、税理士は公認会計士試験に合格しない限り公認会計士業務を行えません。

公認会計士で税務を行う者の肩書き(名刺などに表示する)は「公認会計士・税理士」となります。また、多くの場合、「○○公認会計士事務所」あるいは「○○公認会計士・税理士事務所」など事務所名に「公認会 計士」を含めています。

当然ですが、税理士資格しか保有しない者の肩書きは「税理士」です。また、「○○税理士事務所」あるいは「○○税理士法人」など事務所名に「税理士」を含めてとしていることが大半ですが、一部「○○会計事務 所」(公認会計士事務所と勘違いする?)としていることもあります。


1.職業会計人(国際的には公認会計士のこと)の業務体系

(1)財務書類をはじめとする財務に関する情報の監査証明
わが国に限らず多くの国で公認会計士の独占業務とされています。公認会計士は、企業形態、業種、規模を問わず、財務書類(決算書とその作成プロセス)の「監査証明」、つまり財務書類が適正に作成されてい ることの検討と結果の報告を行います。

(2)会計業務(決算書の作成や経理会計についてのアドバイスなど)
ほとんどの国において誰でも行える自由業務ですが、財務書類の監査証明を行うことの前提として、公認会計士は会計についての高度な専門的能力を有していなければなりません。公認会計士は企業の監査証 明の要否に関わらず公認会計士と称して会計業務を行います。

(3)税務(税務申告書の作成や税務についての相談)
わが国では税理士の独占業務ですが、すでに述べたとおり公認会計士は税理士となる資格を有し税理士登録をすることにより税理士と称して税務を行うことができます。

(4)経営コンサルティング
誰でも行える自由業務ですが、公認会計士は、(1)から(3)の過程で蓄積した、会計を中心とした、あるいは会計から派生する経営ノウハウを提供します。

以上が、いわゆる「職業会計人」の業務体系で諸外国(特に各先進資本主義国)にも国家資格としての公認会計士制度が存在し同様の業務を行っています。わが国独自の制度である税理士制度は極めて限定さ れた範囲の資格であり、職業会計人と呼ぶには業務範囲が狭すぎることをご理解いただけると思います。監査ができないということは職業会計人としては不十分であることを否めません。

2.会計事務所?

あくまでも、「会計事務所」というのは俗語です。しかし、会計事務所は下記のとおりに分類できると思います。

(1)上記1.「職業会計人(国際的には公認会計士のこと)の業務体系」の(1)から(4)の全てを行っている(法的に行える)会計事務所

(2)行っていない(法的に行えない)会計事務所

(1)の代表者は、「公認会計士と税理士資格」を保有していますが、(2)の代表者は「税理士資格しか」保有していません。

3.監査法人

公認会計士監査の対象は大規模企業ですので、監査業務は多数の公認会計士からなる監査法人が行うことがほとんどです。
大企業の決算数値は「個別企業の通信簿」であるばかりでなく、「資本主義社会全体の『羅針盤』」でもあります。大企業の成長と衰退を判別することは、資本主義社会を健全に発展させるための重要な「行動指 針」となります。
ここに会計専門家である公認会計士の会計監査と、独立性と高度なノウハウを有する組織的な監査法人の必要性があるのです。

4.監査を行わない公認会計士

街の会計事務所で「公認会計士事務所」と称するところの実態は「税理士事務所」との考えもあります(税理士業務しか行っていない)。しかし、公認会計士のもう一つの重大な業務に、公認会計士と称して行う「会 計業務」があります。「会計」の重要性は、当ホームページの随所で説明いたしております。

5.監査を行う税理士?

わが国の場合、公認会計士による会計監査が義務付けられているのは、株式公開企業(金融商品取引法監査)と資本金5億円以上あるいは負債総額200億円以上の大規模な株式会社(会社法監査)のみで す。

一部の税理士が「監査」と称して、税務関与先の帳簿や領収書を監査(?)していることがあります。これは、いわゆる税金対策(「正確な申告の確保」と「合法的な節税方法の選択」)のための監査(?)であって、 法定されている公認会計士による会計監査とはまったく性質が異なります。

税理士の「監査」は法的に強制されていませんので、あくまでも企業と税理士の合意がある場合にだけ行われます。また、税理士の監査を受けたからといって税務調査が省略されたり、決算書の適正性が証明さ れたりすることは一切ありません。

6.公認会計士に依頼するメリット(公認会計士は大企業専門?)

確かに税法は専門的かつ複雑ですが、中小零細企業が日常でくわす税務事例のほとんどが会計事務所にとっては一般的で単純なことです。

右肩上がりの高度経済成長は終わりを告げ、節税は20世紀の遺物となりつつあります。また、節税そのものには限界があります。これからの時代、中小零細企業にとって必要なのは身近な経営アドバイザーでは ないでしょうか。税務・会計のみならず、経営、法律にも明るい公認会計士に依頼すれば、思わぬメリットがあるかもしれません(公認会計士試験にはこれらの要素が含まれています)。

7.「公認」の意味?

昭和23年の公認会計士制度創設以前には、国家資格ではない「会計士」と称する人々が存在したそうです。そこで、「公認会計士」が国家資格であることを判別させるために「公認」としたとされます。なお、税理士 側から「税理士」を「公認税理士」、あるいは「税理士」はそのままで「公認会計士」を「会計士」とするという要望もあったようですが、「公認会計士」、「税理士」のまま現在にいたっています。
ちなみに、英文で、公認会計士はCertified Public Accountant(CPA)、税理士はCertified Public Tax Accountant(CPTA?)と表示します。しかし、ほとんどの諸外国には税理士制度がありませんの で、税理士の「英文表示」はあまり意味がないのが実情です。

8.USCPA?

米国の公認会計士のことです。最近は、「日本人」受験生と合格者が増加していますが、日本では業務を行えません。

9.米国税理士?

IRS(米国内国歳入庁)が認定するEA(Enrolled Agent)のことを米国税理士と訳していることがありますが、わが国の税理士とは異なる職業のようです(税務はEAの独占業務とされていないようです)。

10.公認会計士の独占業務である監査の具体的内容

広く一般投資家に公表する決算書(金融商品取引法)と株主総会で報告する決算書(会社法)の監査を行います(法定されている監査はこの二つが主流です)。つまり、決算書の作成が会計基準に基づいて行われ 企業の営業成績や財政状態を正しく表しているかを検討し、その結果を監査報告書で報告します。

監査は大手監査法人に属する5〜10名の公認会計士からなるチームで行い、年間の延べ監査日数は100〜500日にもおよびます。監査の対象は広範で、決算書作成の最小単位である帳票書類、そこから決 算書が完成するまでの経理作業一連の流れの検討だけでなく、経営者や経理担当者への質問、組織全体の体勢や体質が決算書作成に及ぼす影響までも監査の対象となります。

監査を行うには、会計基準や経理一般についての知識や能力だけでなく、被監査企業やそれが属する業界の特性についての十分な理解を欠かすことができません。

11.公認会計士が少ない理由

わが国の「監査制度」と「公認会計士試験制度」に原因があります。

わが国の公認会計士監査の主流である金融商品取引法(旧証券取引法)監査は、昭和23年に占領軍により強制的に植え付けられたものであります。わが国になじまない部分が少なからずあり、公認会計士監査 の強化拡大に対して各企業が難色を示す傾向にあります。

公認会計士になるための公認会計士試験は難関国家試験のひとつとされ、さらには試験に合格するだけでなく法定の実務経験を積まなければ公認会計士にはなれません。なお、この実務経験を積むために大手 監査法人という大組織に就職することが不文律のようになっており、公認会計士試験は事実上「大手監査法人職員採用試験」と化しています。

公認会計士試験が事実上「就職試験」であるがゆえに、公認会計士試験の合格者の平均年齢は25歳前後と若く、大手監査法人は30歳以上の合格者にはなじみにくい雰囲気となることから、受験者も自ずと20 歳代の若年層に限定されてしまいます。

そんなことから、公認会計士試験を断念し税理士試験(税理士も一定の実務経験が必要ですが公認会計士よりも経験が積みやすい)を受験する者も多く、結果として「公認会計士不足の税理士過剰」という異常な 職業会計人構造となっています(税理士が過剰となる背後には毎年多数の退職者がある税務署OBへの税理士資格の付与もあります)。

12.公認会計士数を増やす

今や国策です。しかし、監査の担い手である公認会計士には重大な社会的責任があり、公認会計士数を増やすには、「質を向上させながら量を増やす」という大変難解な課題が伴います。

13.公認会計士監査を受けたくない

被監査企業の正直な心境でしょう。
監査報酬の負担や監査の対応に要する労力は膨大なものです。公認会計士監査を受けなくてすむように株式公開をしない企業、資本金を増やさない企業も少なからず存在します。

14.公認会計士監査は信頼できるか?

信頼されなければなりません。特に大手監査法人には重大な社会的使命があります。

公認会計士監査は企業会計発展の結果であるとともに必要条件でもあります。しかし、企業会計を育むのは国でも公認会計士でもなく、自由主義国家に属する全ての人々であることを忘れてはなりません。

15.監査人(公認会計士)の独立性

「監査をしている企業から報酬をもらっている公認会計士に独立性があるはずはない」
「報酬をもらっている企業に対して厳しい指摘ができるはずない」

大変よく聞くことです。

「お金ですべては買えない」

大変下品な言葉で申し訳ありませんが、監査人(公認会計士)の独立性にも通ずるのではないでしょうか。監査人の独立性で大切なことは、監査人としての「使命感」、「倫理観」、「専門能力」です。どこから報酬を もらっていようが、これらのない監査人は独立性を保てないでしょう。ただし、監査人は独立性に疑念を抱かれるような行動や状況を常に排除しなければなりません。

16.公認会計士試験と税理士試験のどちらが難関か?

「両試験を掛け持ちして受験する者はほとんどいない」、「両試験の受験生の性質(年齢や経歴など)が異なる」、「両試験の出題範囲が異なる」ことからして、難易度を比較することはできません。

しかし、一つだけいえることは、公認会計士試験のほうが易しいのであるならば、税理士試験を受験する者は誰もいなくなるということです。なぜならば、公認会計士になれば自動的に税理士にもなれるからです。

17.公認会計士と税理士の学歴(参考)

公認会計士は早慶出身者が3割程度を占めており、東大や京大などの超一流大学出身者もそれなりにいます。

税理士の場合、どういう訳かあまり学歴が公表されることがありませんので詳しいことはわかりません。しかし、伝え聞く限りでは東大や京大出身者はほとんどいないようです。

学歴のみで判断する限り、公認会計士と税理士は医師や弁護士のような超エリート資格ではないといえるでしょう。


公認会計士制度と税理士制度は別物?

法形式的にはそのように考えることができるかもしれません。つまり、公認会計士法と税理士法が別々に存在し、それぞれが異なる目的を持っているからです。
しかし、会計と税は密接不可分な関係にあることから、会計業務(決算書の作成や監査など)と税務(税務申告書の作成や税務相談など)の資格が別個に存在しているのは不効率であるといえます。

公認会計士と税理士を統合する?

多くの諸外国のように会計業務と税務の資格を公認会計士に一本化するのが自然かもしれません。しかし、わが国のおいては60年以上も公認会計士と税理士という資格制度が併存してきたことから、いまさら両 制度を統合することはそう簡単ではありません。

公認会計士へ税理士資格を自動付与することを廃止する?

両資格が別物であると考えるならばこのようにすべきです。しかし、このようなことは「規制緩和の流れ」に反します。なぜならば、税務を行う能力も意欲もある公認会計士をいたずらに排除する合理的な理由などな いからです。(公認会計士のほか弁護士も税理士となる資格を有します。当然のこととして税法は法律の一部であるからです。)


≪税理士の反論≫

公認会計士に無条件で税理士資格を付与すべきではない!
(税理士試験に合格した者こそ「真の税理士」である。)

公認会計士試験の「租税法」という必須科目は税理士試験と比べて範囲が狭いので、公認会計士に無条件で税理士資格を付与すべきではない。
つまり、公認会計士にも税理士試験の一部を受験させるべきとの主張です。

古くから税理士業界に根強くある反論です。

しかし、税理士試験といえども、すべての税法についての試験科目に合格する必要はなく、実務上極めて重要な税目を知らなくても試験に合格することができます。例えば、「所得税(個人の確定申告書の書き 方)」、「相続・贈与税」、「消費税」を知らなくても税理士試験に合格することができます。ですから、残念ながらこれは「決定的な」反論とはなりません。

また、税理士業界はたいへん複雑な「多民族国家」であり、税理士の中には公認会計士や弁護士だけでなく、税務署OB(税理士試験の受験は不要)や大学院修了者(税理士試験が一部免除される)という税理士 試験に合格していない者が多数います。このことが事態をより複雑にしており、決定的な解決方法が見出せないまま長い年月が経過しているのが実情です。この先どうなるのでしょうか・・・


結論!

公認会計士と税理士のどちらに依頼すべきか?

結局は、「誰に依頼するか」ということになると思います。要するに、公認会計士であれ税理士であれ、意欲と能力は個々人によって千差万別であるからです。

それならば、「『公認会計士と税理士の違い』などを説明するのは無意味では?」とのお叱りを受けるかもしれませんが、「よくある質問」ですので説明しないわけにはいかないのです(笑)。

以上です!

【注】
●法定されている監査(金融商品取引法監査など)は公認会計士または監査法人でなければ行えません。
●全ての公認会計士が税理士登録をしているわけではありません。
●監査法人は税務を行えません。


公認会計士と税理士についてより詳しくお知りになりたい方は下記のサイトをご覧ください。

日本公認会計士協会
http://www.hp.jicpa.or.jp/

日本税理士会連合会
http://www.nichizeiren.or.jp/

「税理士事務所」のHPでも、「公認会計士と税理士の違い」について取り上げられていることがありますので是非ともご覧ください。当然のこととして、このページとは異なる見解が述べられていると思います。


このページとともにご覧ください。

会計事務所とはどんなところ

公認会計士、税理士を目指す方へ


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)


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