築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)


最近の話題(11)


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復興特別所得税
(無意識の納税)

来年から復興特別所得税の課税が始まります。復興特別所得税は平成49年までの25年間延々と続きます。復興特別所得税は従来からの所得税に2.1%上乗せすることによって課税されます。例えば、毎月 の給料から源泉徴収されている(天引きされている)所得税が10,000円の人の場合は210円です。

復興特別所得税は所得税と一緒に課税されます。先ほどの給料の場合、10,000円(所得税)+210円(復興特別所得税)=10,210円として源泉徴収されます。復興特別所得税は、給与明細において従来か らの所得税と区分することは義務付けられていません。要するに給料をもらう人からは見えない税金なのです。

復興特別所得税は実質的には所得税の増税です。来年から所得税の税率は次のようになります(累進税率ですので所得が増えるにしたがって税率はアップします)。

5%→5.105%
10%→10.210%
20%→20.420%
23%→23.483%
30%→30.693%
40%→40.840%

ニュース番組のアナウンサーやコメンテーターは大変です!

2012年12月15日
公認会計士 築山 哲


復興特別法人税・所得税
(金に名前は書いてない)

復興財源の「横流し」に国民は憤慨していますが、復興財源の「集金」はすでに始まっています。

■復興特別法人税
納税義務者は会社などの法人です。納める額は各事業年度の基準法人税額の10%で、この申告と納税は法人税と一緒に行います。対象期間は平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する 事業年度で、いわゆる3月決算の会社(事業年度が4月1日から翌年3月31日)が来年5月末までに納税するのが最初となります(法人税の申告は事業年度終了から2か月以内にしなければならない)。しかし、 事業年度を変更した会社や清算した会社の場合には、すでに対象期間の事業年度が終了していることから納税が終了しているケースもあります。

■復興特別所得税
納税義務者は主に個人です。対象期間は平成25年1月1日から平成49年12月31日と非常に長いですが、税率は基準所得税額の2.1%と非常に低いです。復興特別所得税の対象は非常に多岐にわたること から、様々な事務作業ひいては国民生活に与える影響が極めて大きいです。サラリーマンの給与、利子や配当からは所得税が源泉徴収されていますが、これに復興特別所得税を加算して徴収されるため、所得 税に102.1%乗じるという計算が必要となるのです。また、所得税の税率は5%から40%ですが、復興特別所得税を加算すれば5.105%から40.84%となるのです。これが25年も続くのです。

金(紙幣や硬貨)に名前を書くことはできませんが、資金の管理を複数に区分することはできます。復興特別法人税・所得税に異論のある国民は皆無でしょうが、横流しは誰もが許しません。復興財源の管理を厳 重にしてもらいたいです。

2012年11月9日
公認会計士 築山 哲


ノーベル賞
(わが国も、そろそろ踊り場から脱出か?)

「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした 人々に分配されるものとする。」と、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルは遺言を残したそうです。(ウィキペディアより。)

ノーベル賞と聞けば一般人からは縁遠い学者たちだけの崇高なイベントのように思えるかもしれませんが、上記のノーベルの遺言からして意外にも「庶民のイベント」だと知ることができます。ノーベル自体が実業 家でダイナマイトで一儲けした人だったのです。ノーベル賞は、この夏に行われたばかりのオリンピックと同じなのです。

今回の山中教授の受賞は、「まだ早い(実用化していない)」と本人や周囲も声をそろえています。ノーベル賞は「前年に人類のために最大たる貢献をした人々」に与えられるからです。ここでの「貢献」とは、夢・希 望・勇気を与え人類の繁栄や幸福に貢献することが確実である場合も含まれるのだと思います。

ノーベル賞は人の真似をしていても受賞できません。また、現在のグローバル経済を支配している「規模を拡大して」、「早く」「安く」という論理ではどうにもなりません。「勝った」「負けた」の問題ではないのです。

2000年以降、日本人のノーベル賞受賞者が急増しています。そろそろ、上昇しそうですね!

2012年10月11日
公認会計士 築山 哲


シャープは死ぬのか?
(グローバル競争の最終的な勝ち組は?)

シャープが無茶苦茶なことになっています!

業績は大赤字、株価はどん底、藁をも掴む思いで臨んだ台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との提携交渉も難航している模様です。もう、絶体絶命のピンチです!

グローバル競争においては規模が決め手であるといわれています。新興国を中心としたグローバル市場においては、性能や品質よりも普及品を低価格で提供することが重要です。わが国の家電メーカーは狭い国 内のマーケットに多数のメーカーがひしめき合い、性能・品質は当然として独自性に基づくブランド力で勝負してきました。そして、この戦略はグローバル市場においても踏襲されました。

電機に限らず、「ものづくり」は一朝一夕に行えるものではありません。成功するまで途方に暮れるような試行錯誤を繰り返さなければなりません。また、会社の組織や取引先との関係も円滑でなければよい製品は 作れません。「ものづくり」は、真似をすればよいというわけにはいかないのです。

規模の拡大は簡単です。わが国でも、「通信」「金融・証券」など多くの業界において「瞬時に!」最新の金融技術を駆使した合併や完全子会社化などで規模を拡大した例は多数あります。M&A(合併や完全子会 社化など)は「わが国の風土には馴染まない」は昔の話です。

わが国の電機メーカーが「規模の拡大」に追随しない理由?
グローバル市場において規模の拡大以外の成功要因?

このあたりが重要なのでしょう。

2012年9月11日
公認会計士 築山 哲


ロンドン五輪閉幕
(これぞ国の象徴!国の誉!)

第30回夏季オリンピック・ロンドン大会は12日夜(日本時間13日早朝)、無事閉幕を迎え、日本のメダル獲得数は史上最多の38個となりました。初めてメダルを獲得した競技、久々にメダルを獲得した競技、惜 しくもメダル獲得が途絶えた競技、いずれにせよ日本人選手の活躍を喜ばない国民などいないでしょう。

1990年代初頭から続く不況の中、選手の多くは決して裕福ではない経済環境の中、練習環境をよく整えたと思います。各選手の競技に打ち込む目的は様々でしょうが、国としては相応の「ご褒美」をするととも に、今後も可能な限りの支援をすべきです。

各国には固有の気候、地形、民族としての身体的特徴などがあり、それによって適した競技が決まってくると思います。また、各競技は国際化の潮流に沿って競技内容そのものやルールも変化しています。このよ うな状況下でのメダル獲得は並大抵のことではありませんが、日本は38個もメダルを獲得できました。「やればできる!」の精神論ではなく、「メダル獲得」から逆算した長期的計画を日々実践した結果なのでしょ う。国民はあきらめてはならないと思います。言い訳をしてはいけないのです。

2012年8月17日
公認会計士 築山 哲


給料や退職金の税制が変わりました!
(簡素さが不公平をもたらす場合もある)

給料や退職金の税制が大きく変わりました。給料や退職金の税制は大変簡素で、誰に対しても画一的で概算的な計算が行われています。これが給料や退職金をもらうサラリーマンの間でも不公平をもたらしてき ました。

■給与所得に上限が設定された
給与所得控除はサラリーマンの必要経費といわれ、給与収入から所定の給与所得控除を差し引いた額が給与所得として課税されるという仕組みになっています。給与所得控除が給与収入の額に比例するのは異 論のないことかもしれませんが、給与収入が増えるにしたがって増加率が低下すること、給与収入が多い者は担税力もあるので給与収入に対する給与所得控除の比率を低くすることには合理性があるといえま す。そこで、年間給与収入が1500万円を超えると給与所得控除は245万円で頭打ちとなりました。

■特定の者に対する退職金の2分の1課税の廃止
退職金はサラリーマンが長年働いてきたことの対価であるとともに老後の生活の糧でもあります。ですから、担税力が低くなるように配慮した税制となっています。その配慮のひとつがいわゆる2分の1課税といっ て、「退職金収入−退職所得控除」の2分の1に課税をするというものです。この課税方式をいわゆる「渡り」と呼ばれる、高級官僚の天下り先での退職金にまで適用するのは不公平です。そこで、「渡り」を含む「特 定の者」に対しては2分の1課税が廃止されました。

上記のように税制の簡素さ(配慮のなさ)が不公平をもたらすこともあります。ここ数年で、わが国の税制も大きく変わりそうです。「簡素だが不公平」と「複雑であるが公平」のどちらを国民は選択するのでしょうか? もっとも、税制の複雑さが「知らない者が損をする」という不公平をもたらすこともあります。ここに、税制の難しさがあります。

2012年7月6日
公認会計士 築山 哲


平成24年度税制改正
(23年の異例の改正スケジュールに実務の世界は大混乱)

平成23年度税制改正は例年のように3月末までに法案が成立せず、その後6月と11月になってようやく成立しました。さらには復興財源確保法が成立したことから、平成23年は税の実務に携わる者にとっては 大混乱の1年でした。

当然のように平成24年度も税制改正が行われました。3月に成立はしたのですが、現在、「平成23年度税制改正」「復興財源確保法」「平成24年度税制改正」の適用開始時期が重なっており、実務は大混乱して いるのが実情です。

●法人税率の引き下げ(23年改正)+復興特別法人税(復興財源確保法)
平成24年4月1日開始事業年度からです。ただし、復興特別法人税は3年間限定です。(引き下げ後の法人税率+復興特別法人税)<(改正前の法人税率)となっています。

●復興特別所得税=個人の税金(復興財源確保法)
平成25年から24年間、延々と続きます。これに伴い、給与や特定の報酬を支払う際の源泉徴収事務(徴収する税額の計算方法)が大幅に変わります。

●給与所得控除・特定支出控除・退職所得課税の見直し(24年改正)
平成25年からです。高額所得者の給与と退職金課税に関して以前から指摘されていた過剰な優遇が改善されました。特定支出控除(サラリーマンの必要経費)には実効性が持たされました。

上記のほか、「源泉所得税の納期の特例の場合の納期限(24年改正)」や「生命保険料控除(22年改正)」などにも注意が必要です。

2012年6月15日
公認会計士 築山 哲


今年も駄目なのか・・・
(昨年よりはマシ!)

早いもので今年も早や5か月が経過しました。年初から3月にかけては世界的に株価が上昇するとともに、各国とも金融緩和ということで足並みもそろっていました。しかし、4月以降、欧州危機という病気が再発し てしまいました。「何を弱気な!」「誰かが操作している!(人の不幸を食い物にするのか!)」と叫びたくなります。世界の人々は年初のムードの継続を期待しているのです。

しかし、冷静に考えてみれば、多くのことにおいて今年は昨年よりは「マシ!」になっています。

平均株価・・・「昨年の後半」よりかは明らかに高いです。
為替レート・・・このところ「1ドル=76円」なんて見たことありません。
企業業績・・・確実に改善しています。

経済状況が一本調子で改善することはありません。時には足踏みをするものなのです。大切なことは徐々に底辺を切り上げてゆくことです。「昨年よりはマシ」でいいではないですか!

2012年5月19日
公認会計士 築山 哲


株価がさえない
(今、何をなすべきか?)

年明け以降、大変よいムードで上昇を続けてきた世界各国の株価がこのところ下落基調にあります。「やはり今年も」「欧州危機は相当根深い」といった悲観的な声が聞かれ始めています。株価は経済の先行指標 であるといわれます。先行指標が下に向かっている場合、指標がなんらかの「催促」をしていると考えなければなりません。

大手電機の2012年3月の業績が散々です。ついに!シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループとの資本提携を決めました。ソニーは1万人規模のリストラを実施します。大手電機各社の経営陣の顔 色が2000年初頭の金融機関の経営者のようになってきたように感じます。

日銀は追加の金融緩和をしそうです。まさに「恥も外聞も捨て」という雰囲気です。このままでは日本は沈没してしまいます。前例に倣っていてはどうにもなりません。

大変なのは財政再建です。その目玉が消費税率アップであることはいうまでもありません。

先行指標たる株価は何を催促しているのでしょうか?

相当の覚悟がない限りその催促に応えることができないような予感がします。

2012年4月15日
公認会計士 築山 哲



もう、脇役でもいいじゃないですか!?
(大切なのは復活ではなく、生まれ変わること)

世界経済がいいムードになってきました。最も懸念されていた欧州危機も回避されそうです。また、各国ともに金融緩和ということで足並みがそろい、これが世界的な株高を誘発しました。そして、わが国を最も息苦 しくしていた原因である超円高も終息する模様です。

失われた20年の途中、何度か脱出の機会は訪れました。「ネットバブル」「小泉改革」「ホリエモン」。しかし、いずれも夢のように終わってしまいました。本当にいい夢を見させてもらいましたが、しょせん夢は夢にす ぎませんでした。

今度のチャンスは絶対にものにしなければなりません。このチャンスを逃せば、わが国も本当に沈んでしまいます。今ほど、他国がわが国に「優しく」「協力的な」姿勢であったことはないように感じます。ただし、「復 活」だとか「覇権奪回」だとか、大げさなことは望んではいけないと思います。もう、わが国を取り巻く状況は昔とは違うのです。もう、わが国はエース投手でも二枚目俳優でもないのです。自身に求められている役割 を冷静に受け止めなければならないのです。

大切なのは生まれ変わることなのです。

2012年3月16日
公認会計士 築山 哲


コンビニの弁当が美味しい!でも、弁当屋の温かい弁当も美味しい・・・
(ゴールのないマラソンはいつまで続くのか?)

コンビニで弁当を買ったことがない人などほとんどいないと思います。コンビニの弁当やパンなどの食料品で日々の食事のほとんどを済ませ、すこぶる健康な生活を送っている人も多いです。かつてのコンビニの 食料品は非常食にすぎず、とりあえず空腹を満たすものでしかありませんでしたが、今のコンビニの弁当をはじめとした食料品は大変美味しいです。

今や、コンビニは飲食店を凌駕する存在になったといっても過言ではありません。ビジネス街のコンビニでは、昼休みになれば弁当やパンなどを昼食として買い求めるサラリーマンやOLが列をなしています。一方、 ビジネス街の飲食店の中には閑古鳥が鳴いている店も珍しくはありません。コンビニは食料品の取扱い数も多く商品内容の見直しも非常に早いです。そして、当然のように安いです。飲食店はメニューも長期間に わたってワンパターンで、調理時間も長くコンビニよりも値段も高いことがほとんどです。飲食店の中にはコンビニに客を奪われて廃業に追い込まれる店も珍しくはありません。

しかし、コンビニも決して安泰ではありません。最近、弁当屋が増えているように感じます。調理したての温かい弁当を売る店です。コンビニが弁当屋に転身しているケースもあるようです。コンビニの弁当もレンジ で加熱できますが、出来立ての温かさにはかないません。

消費者の欲望には終わりがありません。より良いもの、より安いものを追い求めます。かつての消費者には欲望とは別に、縁故や馴染みという心理が働きました。しかし、終わりの見えない不況は人々からそのよ うな絆を奪ってしまいました。

これ以上、自由に任せてよいのでしょうか?

合理性や効率性はそんなに重要で、人々を幸福へと導くのでしょうか?

2012年2月2日
公認会計士 築山 哲


やはり消費税ですか・・・
(増税による財政再建の後にあるもの?)

やはり、政府民主党は消費税率アップという方針を決定しました。

政府は現行消費税の問題点を理解していない!?

そんなことはどうでもよいのです。(政府は低所得層への還付を検討している模様であることからして、消費税の問題点である逆進性は認めていると考えられます。)

問題は、なぜ?増税してまで財政再建をしなければならないかです。なぜ、国民に「痛み」を強いるかです。国民は、増税という痛みを伴う財政再建の後に何があるかに疑念を抱いているのです。政治に対して不信 感を抱いているのです。

思えば小泉元首相による「痛みを伴う構造改革」の結果は惨憺たるものでした。既存のシステムを破壊したにすぎません。構造改革の結果は「瓦礫の山」でした。だから、国民の多くは増税による財政再建の結果 に希望を持てないのです。政府は財政再建後のビジョンを明確に描かなければならないのです。それができなければ、結局は野田首相も「前例に従って1年で・・・」になることは明白です。

2012年1月8日
公認会計士 築山 哲


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)



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