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築山公認会計士事務所

大阪市北区与力町1−5

 

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いよいよ所得税の確定申告です。

所得税の確定申告については、「所得税確定申告情報」をご覧ください。

 

2004年4月から、消費税の課税事業者の範囲が大幅に拡大されます。

詳細は、「消費税Q&A」をご覧ください。

 

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≪総額表示≫2004年1月29日(木)

 

すでに総額表示(消費税を含んだ価格)方式・2003年9月9日(火)お伝えしたとおり、今年の4月から小売店での価格表示は消費税を含んだ総額表示となります。

しかし、該当する事業者は「そんなこと知らない」、「同業者も無関心」というのが実情です。総額表示の方法は様々ですが、今までのようにレジで別途受け取る方式が認められなくなるのは紛れもない事実です(賢明な消費者は別途支払いを拒むことでしょう)。

「値決め」は事業の原点であり、価格表示が値決めのスタートであることはいうまでもありません。4月まで後2ヶ月ほどです。同業者、周辺の商店など、身近な競争相手の動向を探っておく必要があるのではないでしょうか。

「店頭価格の表示は変えられない。結局、消費税相当を値引くしかない」

最悪の結果は避けたいものです。

 

2004年4月から、消費税の課税事業者の範囲が大幅に拡大されます。

詳細は、「消費税Q&A」をご覧ください。

 

 

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≪年末調整・その4(年が明けてからの年末調整?)≫2004年1月5日(月)

 

「年が明けたのに年末調整だなんて」と、お考えかもしれません。しかし、年末調整はまだ終わっていません。

 

  源泉所得税の納付

 

1月13日が納付期日であること(本来は10日ですが今年は10日が土曜で12日が祝日のため)は、いまさらいうまでもないことでしょう。

 

  各従業員への源泉徴収票の交付(1月末までですが、できるだけ早く)

 

年末調整が終了したというからには、各従業員がその税額に納得しなければなりません(税金の計算が正しいということにおいて)。それには源泉徴収票の交付が必要不可欠ですが、案外これを忘れていることがあります。給与計算の不透明さは、従業員の経営者に対する不信感へとつながります。必ず源泉徴収票は交付してください。

 

  各従業員の給与支払報告書(源泉徴収票)を各市町村に提出(1月末まで)

 

各従業員が源泉徴収票(国税)に納得したならば、次は住民税(地方税)です。各従業員の1月1日現在の住所地市町村役所に、給与支払報告書(名称は異なりますが内容は源泉徴収票と同一です)を提出しなければなりません。各従業員の住民税は、各市町村役場が計算し5月末に会社に通知します。会社は、この金額を毎月の給与から分割して徴収します(いわゆる住民税の特別徴収)。

 

《パートアルバイトの給与支払報告書》

給与支払報告書は「税額のない従業員」についても提出が必要です。「(年間を通して税額のない)パートやアルバイトは提出の必要がない」との迷信があるようですが、年末調整を行った従業員については全員提出してください。

企業によっては「給与支払報告書を提出しないことをエサにして」、「優秀な低賃金労働者」を多数確保しているようです。税務当局はこのようなケースに目を光らせていますのでご注意ください。これを放置すると、特定の給与所得を隠し本人が納税を免れる、あるいは家族の税額を減額する(家族の所得から配偶者控除、扶養控除を適用する)ことができるからです。

《配偶者控除、扶養控除が適用できないことが「ばれるメカニズム」》

答えは「給与支払報告書」であることをご理解いただけるかと思います。

《給与支払報告書のあて先(郵送で提出する場合)》

各従業員の住所地の市町村に提出するのは当然として、迷うのは「役所のどの部署」に提出するかということです。ほとんどの市町村は、12月になれば「給与支払報告書・総括表」(給与支払報告書の表紙)を郵送してきますので、それに記載された部署に提出することになります(すでに特定の従業員の住民税を特別徴収している市町村に限ります)。

しかし、初めて給与支払報告書を提出する市町村の場合は大変迷います。「市民税部(課)」、「税務部(課)」、「主税部(課)」など市町村によって部署の名称はまちまちだからです。その場合は封筒の表紙に「給与支払報告書在中」と明記しておくことです。開封する人は戸惑うかもしれませんが何とかしてくれるでしょう。なお、市町村が法人市民税の申告書用紙を会社(納税者)に郵送する際に、「経理担当者殿」、「経理担当者にお渡しください」などと封筒に明記してくることがあります。お互い許される範囲の「無礼」ではないでしょうか。

《住民税の特別徴収義務者番号》 

上記の「給与支払報告書・総括表」(給与支払報告書の表紙)のどこかに明記されています。また、住民税の決定通知(5月末)に特別徴収義務者番号が記載されているはずです。白紙の給与支払報告書・総括表(税務署が配布していると思います)を使用する場合はこれを記載しておく必要があります。

なお、初めて特別徴収する市町村の場合には番号がないのが当然です。 

 

  税務署に法定調書合計表を提出する(1月末まで)

 

1の源泉所得税の納付と3の給与支払報告書(源泉徴収票)の各市町村への提出さえ済んでいれば、年末調整は実質的には終了かもしれません。しかし、法定調書合計表は提出してください。これの提出がない場合には、たとえ源泉所得税を納付していようが法定調書合計表を提出するよう執拗な催促があります。

 

  源泉徴収票の再発行に備える

 

各従業員へ交付した源泉徴収票は、各従業員にとって「社会人のためのパスポート」としてあらゆる場合に必要となります。税務署から白紙の源泉徴収票が配布されていると思いますが、余った分は残しておいてください。また、余りがない場合には税務署に取りに行ってください。おそらく今年中なら、「平成15年分」と印字された白紙の源泉徴収票が税務署にはあると思います。

なお、年度途中(平成16年中)で退職する者には、この「平成15年分」と印字された白紙の源泉徴収票を「16」と二重線で訂正して交付してください。途中退職者にはタイムリーに源泉徴収票を交付しておく必要があります。そうでないと、年末のあわただしい時期に「今の会社で、年末調整のために前の会社の源泉徴収票が必要といわれた」との催促を受けることになります。

 

  源泉徴収票への「信奉」

 

源泉徴収票が「社会人のためのパスポート」であるがゆえに、人によっては源泉徴収票に異常な「信奉」を抱いていることがあります。「社長、源泉徴収票を・・・・となるように書いてください」との不純な再発行の依頼については、毅然とした態度で挑んでください。源泉徴収票は会社が作成した内部資料に過ぎません。とくに、名もなき中小零細企業の源泉徴収票など誰も信用してくれません。

昨今、金融機関(融資の審査)、家主(賃借人の信用状況の調査)などは個人所得の正確な把握の手段として、源泉徴収票ではなく公的証明である「市町村発行の所得証明」の提示を要求することが通常です。

 

  扶養控除申告書など(年末調整の基となった資料)の保存

 

まれに従業員に返却している会社がありますが、会社で保存しておく必要があります(7年間)。

 

  年末調整と確定申告(給与所得者の確定申告)

 

給与所得しかない人が1ヶ所からのみ給与を受け取っており、そこで年末調整をした場合には確定申告の必要はありません。しかし、次のような場合には確定申告をする必要があります。

(1)医療費、寄付金控除、住宅借入金等特別控除(初年度)を受けたい

これらを勤務先でするものと思い込んでいる人がいます。しかし、確定申告をするしかありません。該当者には半日程度の遅刻あるいは早退は認め、税務署あるいは税務相談所に行かせてやってください。

(2)年末調整が間違っていた(税額が多かった)

生命・損害保険料、個人負担の社会保険料(扶養親族分)などの控除を忘れることが目立ちます。該当者には「次回からは正確に会社に報告すること」を厳重注意するとともに、「確定申告という救済手段」を教えてあげてください。

 

 

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≪償却資産≫2003年12月24日(水)

 

(大阪市作成「平成16年度償却資産(固定資産税)の申告の手引き」を参考にしています。)

 

1 償却資産とは

 

 聞きなれない(あるいは聞き過ごしている)言葉かもしれませんが、「固定資産税」と聞けばお分かりかと思います。固定資産税は、「各市町村」が次のものに課税します。

 

(1)土地(納税義務者は土地登記簿または土地補充課税台帳に所有者として登記または登録されている者)

(2)家屋(納税義務者は建物登記簿または家屋補充課税台帳に所有者として登記または登録されている者)

(3)償却資産土地家屋以外の事業用資産。納税義務者は償却資産課税台帳に所有者として登録されている者)

 

 いずれも、その年の1月1日現在における資産の所有者が納税義務者となります。(1)土地と(2)家屋は、登記簿上で所有者が判明しますので原則として申告の必要がありませんが、償却資産については所有者自らが1月末までに申告しなければなりません。

 12月になれば、固定資産の所在地市町村(本店と営業所所在地)から「償却資産申告書」が送付されてくるはずです。「対象となる資産」、「申告書記入方法」、「課税標準額」、「税率」、「免税点」などを詳細に解説した冊子が同封されていると思います。これを参考にすれば、素人でも申告書は容易に作成できます。

提出がない場合には、後日執拗な催促があります。(最近、多くの市町村が償却資産の申告漏れに目を光らせている模様です。)「償却資産」は年末調整の陰に隠れてつい忘れがちです。くれぐれも、ご注意ください。

 

「経済のソフト化」が進む中、償却資産が免税(課税標準額150万円未満)の企業が増えています。そんなことから、償却資産の申告を忘れがちです。また、案外多いのは償却資産の「減少の申告」を忘れているということです。除却した、あるいは売却、他の市町村へ移動した資産が償却資産課税台帳に登録されたままの状態で、課税の対象となっていることがあります。このままでは、現在は免税でも新規取得分を加えれば免税でなくなり課税されてしまいます。多くの市町村は、申告書に前年度の償却資産課税台帳の内容を同封しています(当然、前年度に申告している場合)。一度チェックしてみることです。

 

最近台頭が目立つ「SOHOやネットビジネス」などでは、ほとんどの場合、償却資産は免税となるでしょう。「パソコン」、「椅子・机(豪華な応接セットは無い)」程度では、まずは免税だからです。なお、自動車は償却資産ではありません(自動車税が課税されます)。

恐れずに、あるだけの償却資産を申告することです。(免税でも申告は必要です。)

 

最近、地域密着の「パソコンスクール」が増えてきましたが、償却資産については注意が必要です。パソコン20台ならば、償却資産が課税されてくるでしょう。しかし、そのパソコンが「リースやレンタル」の場合には償却資産の対象にはなりません。なぜならば、償却資産は「所有者」に納税義務があるからです。

 

市町村によっては、償却資産の申告書を送ってこない場合もあります。簡易な書面で「当年中に新規取得と除却がないか」について質問し、「あり」あるいは「無回答」の場合のみ申告書を送付していることがあるからです。

 

新規事業者の場合、ほとんどの市町村が申告書を送付してきます(送付されてこないのは、開業届を提出していない場合と考えられます)。「申告書の書き方がわからない」、「知らなかった」、「何もいわれなかった」が通用しないのは、どの税金も同じです。

 

  償却資産の具体例

 

(1)償却資産の種類と具体例

【構築物】広告塔、駐車設備、門、塀など【機械及び装置】機械式駐車設備、印刷機械など【船舶】省略【車両運搬具】大型特殊時自動車(0・00・000・9・99・999ナンバー)、各種運搬具【工具、器具及び備品】パーソナルコンピューター、厨房機器及び用品、冷凍・冷蔵庫、机・椅子、ロッカー、応接セット、室内装飾品など

(2)建築設備の家屋と償却資産の区分

建築設備とは、電気設備、ガス設備、衛生設備、給排水設備、空調設備、消火設備、運搬設備など本来家屋と一体になって家屋の効用を高めるための設備です。このうち償却資産となるのは、独立した機器としての性格の強いもの(例:ホテルの厨房設備など)、特定の生産業務の用に供されるもの、単に移動を防止する程度に家屋に取り付けられているものです。

(3)賃貸ビルなどに附加された内装と附帯設備

賃貸ビルなどを借りて事業している場合、自分の費用で附加施工した内部造作などは、賃貸ビルなどの所有者の所有に帰することについて明確な契約がなく、かつ、賃貸ビルなどの所有者がテナントの償却資産として課税することに異議がない場合は、テナントが償却資産として申告しなければなりません。

【例】(内装)天井、床、間仕切りなど(附帯設備)電気、ガス、給排水、空調設備など

 

経済のソフト化やSOHOといっても、償却資産にまったく無縁ではないようです。

 

《償却資産の評価額》年数が経つにつれて評価額は下がります。

●前年中に取得したもの(平成15年1月2日から平成16年1月1日までに取得したもの)

取得価額×(1−耐用年数に応ずる減価率×1/2)

●前年前に取得したもの(平成15年1月1日以前に取得したもの)

前年度の評価額×(1−耐用年数に応ずる減価率)

 

  申告の必要のない資産

 

(1)使用可能期間が1年未満または1個(または1組)当たりの取得価額が10万円未満で、税務会計上一時に損金または必要経費に算入されたもの(購入年度に購入金額の全額が費用処理されるもの)

(2)1個(または1組)当たりの取得価額が20万円未満の償却資産で、税務会計上3年間で一括して損金または必要経費に算入されたもの(3年間に毎年均等額を償却する方法)

(3)商品、貯蔵品

(4)無形減価償却資産(ソフトウェア(平成12年4月1日以降取得分)、特許権等)

(5)自動車税または軽自動車税の課税対象となる自動車等

(6)生物(観賞用、興行用のものは申告対象)、立木、果樹

(7)書画骨董(複製等は除く)

 

《固定資産台帳(減価償却資産の内訳)との関係》

法人税や所得税の申告書には、固定資産台帳(減価償却資産の内訳)を添付します。償却資産はこの内容と矛盾してはいけないのは当然ですが、両者が完全に一致するものでないことは、以上の説明でご理解いただけるかと思います(対象となる資産の範囲、課税の計算をする時点が異なります)

《少額減価償却資産(取得価額30万円未満)の処理》

特定の事業者(資本の額が1億円以下の青色申告法人など)が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に取得した少額減価償却資産(取得価額30万円未満)は、法人税や所得税の計算においては取得した年度に取得価額全額を損金や必要経費とできますが(固定資産台帳には残らない)、償却資産においては申告の対象としなければなりません。

 

 

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≪年末調整・その3(源泉所得税の納付期限)≫2003年12月6日(土)

 

1 源泉所得税の納付期限

来年の1月13日(10日土曜日12日祝日なので)までに納付しなければなりません。(それ以前に納付してもかまいません。)また、特別な場合は1月20日まで納期限を延長できます(納期特例事業者で12月20日までに納期延長の申請をしており、かつ12月31日現在でそれまでの源泉所得税の滞納がない場合に限ります)。納付する金額は、12月(納期特例の場合は7月から12月)に源泉徴収した金額から年末調整により還付(超過税額)あるいは追加徴収(不足税額)した税額を加減算した金額です。

 

2 源泉所得税の納付が不要な場合

このようなケースもありえます。12月(納期特例の場合は7月から12月)に源泉徴収した金額よりも年末調整による還付が多い場合です(源泉徴収の対象がない場合は、納付が不要であることはいうまでもありません)。つまり、納付税額がゼロ(当然マイナスもありえます)となる場合です。このような場合には納付の必要はありませんが、納付書を税務署に提出する必要があります。納付書の提出は1月10日までに行わなければなりません。(なお、金融機関では納付税額がゼロの納付書は受け付けてくれません。)また、税務署への提出は郵送でも可能ですが、郵送する場合は納付書控(納付書の3枚目。税務署が受付印を押印します)の返送用封筒を同封してください。納付書控の受付印は税務署に対する「対抗要件」であるからです。

【マイナス納付税額の処理】次回以降の納付税額から順次差し引いてゆきます。また、一定の手続により「税務署から還付」を受けることもできます。

 

3 従業員への源泉徴収票の交付

 1月末までに交付しなければなりません。しかし、できる限り早めに交付されることをお勧めします(年内最終給与の支払いのときに手渡すのが理想です)。万が一間違いがあった場合、1月末までに「年末調整の再調整」が認められており、再調整を有効に行うには源泉徴収票の早期交付が必要だからです。

【源泉徴収票の用紙】税務署が所定の用紙を交付しています(大阪国税局管内の税務署)が、必ずしもこれを用いる必要はありません。給与計算ソフトのメーカーが提供しているものを用いてもかまいません。

 

4 報酬料金の支払調書

弁護士、公認会計士、司法書士、デザイナー、講師など一定の職業の者に対する報酬支払に際しては源泉徴収が必要となります。従業員の給料のように年末調整は必要ありませんが、今年1年間の各人に対する支払総額とそれから徴収した源泉所得税額を総括した「支払調書」の作成と本人への交付が必要です。本人への交付は1月末までですが、源泉徴収票同様に誤りを早期発見すべく、できる限り早めに交付してください。

 

5 源泉所得税の納付ができそうにない

大変困った状況です。なぜならば、源泉所得税は「預かった」税金だからです。すべての源泉徴収義務者は1月末までに、前年1年間(平成15年)に支払った給与と報酬、それから源泉徴収した金額の結果要約表(法定調書合計表)を税務署に提出しなければなりません。源泉所得税の納付ができなくても、これは必ず提出することです。そうでないと、後日税務署から執拗な問い合わせがあります。(税務署員が訪ねてきて、源泉徴収の状況を調べて帰ります。当然、そこで把握された税額を納付しなければなりません。)

「不景気だから」、「構造改革」など、「逃げ口上」が通用しないのが源泉所得税です。

 

 

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年末調整の方法の多くは、所得税の確定申告と共通します。

所得税の確定申告については、「所得税確定申告情報」をご覧ください。

 

 

≪年末調整・その2(還付金の財源?)≫2003年12月1日(月)

 

1 超過税額の還付

毎月の源泉徴収で預ったお金は仮の税額にすぎず、年末調整の結果超過税額(還付)が生じる従業員については、会社から従業員に還付しなければなりません。毎月の源泉徴収税額が10,000円(年間で120,000円を仮の税額として徴収)、超過税額(還付)が15,000円(最終的な税額は120,000−15,000=105,000円)とした場合、還付の方法は次のとおりです。なお、いずれの方法も結果(その従業員の最終的な税額)は同じです。

(1)年内最終給与で徴収と還付を行う

給与明細の「控除欄」で、徴収10,000円(プラス記入。控除欄のプラス記入なので支給額からは差し引きとなる)と還付15,000円(マイナス記入。控除欄のマイナス記入なので支給額に加えることになる)の2段記入する。

(2)年内最終給与で還付のみ行う

 給与明細の「控除欄」で、還付5,000円(マイナス記入。徴収10,000円から還付15,000円を差し引いた金額)を記入する。

(3)別途還付する

 年内最終給与では、通常月と同様に10,000円の徴収を行い、還付15,000円は別途手渡す。(従業員にとっては、還付されたという実感が湧く方法です。年内最終出勤日や年初の出勤日に還付するのがいいかもしれません。)

 

2 還付金の財源?

源泉徴収税額は従業員からの「預り金」ですので、還付金は会社が用意しなければなりません(用意できるはずです)。しかし、預かった資金を別途保管していないことも多く、還付金の財源に窮することがあります。強いて財源というならば、来年1月10日までに源泉所得税の納付をする際に、12月(納期特例の場合は7月から12月)徴収税額から「超過税額(還付税額)」を差し引いて納付できるということです。(還付税額が過大な場合には、納付の必要がなくなる場合もあります。)

【源泉所得税の保管方法】定められた方法はありません。しかし、専用の預金口座を開設して、そこに源泉徴収した都度預け入れしておくのがよいと思います。特に納税準備預金でしたら納税以外に引き出すことができませんので、運転資金などへ流用してしまう「誘惑」に負けてしまうこともありません。また、納期特例をやめ、毎月の給与支払のときに(銀行に引き出しにいくときに)、その給与についての源泉所得税を同時に納付するのもよいかもしれません。

 

3 年末調整の期限

実は、来年の1月末まで猶予期間があります。かといって、年明けに年末調整することが「推奨」されているわけではありません。年末調整の諸要素(配偶者や扶養親族の所得など)によっては、年内は未確定のこともあります。そこで、年内は「暫定的数値」に基づき年末調整を行い、1月末までの修正期間を設けているのです(年末調整の再調整)。これでも、間に合わない場合には、個々人が確定申告をします。

 

今後も、年末調整関連の情報をお伝えしてまいりますので、引続きご覧いただきますようお願いします。

所得税の確定申告については、「所得税確定申告情報」をご覧ください。

 

 

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≪年末調整・その1(年末調整のプロセス)≫2003年11月14日(金)

 

今年も年末調整の時期がやってまいりました。年末調整といっても、あまり実感のわかない方も多いと思います。「扶養控除等申告書」、「生命保険料証明書」などと聞いてようやく昨年を思い出すのではないでしょうか。

年末調整は、給与所得者の税額を確定・精算するという、給与所得者にとっての「確定申告」であるとともに、給与所得者の「公的な所得証明」の発行手続です。

「融資を申し込むので、源泉徴収票を○○となるように書いてください」。大変愚かな考えです。「定期的に役員報酬を取れていない」、「従業員の給与が支払えていない」、「今年から一部の従業員を外注扱いとした」。不況を反映して、このようなことが多いと思います。「不景気なので税金は関係ない」と高をくくらずに会計事務所に相談してください。

 

1 年末調整のプロセス

年末調整は、各従業員(役員を含む。以下同じ)の年間給与・賞与総額に対しての所得税額(国税)を計算し、毎月の給与支払時に徴収した源泉所得税の合計額(仮の税額)との精算を行う手続です。なお、年末調整の事務手続を行うのは、源泉徴収義務者として従業員から源泉所得税を徴収した会社です。また、年末調整は年内の最終給与を支払う時に行います。

(1)年末調整の対象となる従業員

扶養控除等申告書を提出しており、年間給与総額が2000万円以下で、年末に在籍する従業員が対象となります(年度途中で採用され、年末に在籍する従業員も対象となります)。

(2)年末調整の基礎データ

各従業員の最終的な年間の所得税額を計算するには、次のデータが必要となります。

●給与台帳(給与明細控え)=給与・賞与総額、源泉徴収した所得税額、天引きした社会保険料(健康保険、年金保険料、雇用保険料)

●扶養控除等申告書=住所、生年月日、配偶者、扶養親族(毎年、年度初めに提出してもらいます。年末までに、変動があれば再度提出してもらってください。)

●保険料控除申告書=生命保険料、損害保険料、社会保険料(個人的に支払った国民健康保険・国民年金保険料など)、配偶者の所得

(3)年末調整に協力しない従業員

扶養控除等申告書への、住所と氏名と生年月日の記入、それと押印をしてもらってください。そして、「扶養親族、生命保険、損害保険は『なし』で年末調整をします。不満がある場合は税務署に行ってください」と告げてください。

 

2 源泉徴収した所得税の還付

上記1の結果計算された年間税額と毎月の源泉徴収税額に差額がある場合には、各従業員に還付(超過税額)あるいは各従業員から追加徴収(不足税額)しなければなりません。

(1)還付となる例

一年間を通して毎月の給与が同額で、年度途中で扶養親族が増えた場合(途中の給与まで年度末より少ない扶養親族数を前提に源泉徴収しているので)

(2)追加徴収となる例

一年間を通して毎月の給与が同額で、年度途中で扶養親族が減った場合(途中の給与まで年度末より多い扶養親族数を前提に源泉徴収しているので)

 

3 源泉徴収票

各従業員に対して一年間に「支給した給与・賞与」と「徴収した源泉所得税(年末調整後)」の結果要約表です。おなじみ、A4の1/4サイズの小さい用紙です。年末調整が終了したならば(来年の1月末までに)、各従業員に交付しなければなりません。源泉徴収票は、融資、賃貸住宅への入居申し込みなどの際に、必ず提出が求められます。大切に保管しておく必要があります。

 

4 年末調整の(各従業員の住所地の市町村への報告への)結果報告

年末調整はあくまでも「国税」である「所得税」についての手続です。「地方税」である「住民税」については、上記3の源泉徴収票(給与支払報告書)を各従業員の住所地の市町村に提出し、各市町村が計算し会社あるいは各従業員にその税額を通知します。

会社が作成する源泉徴収票は、会社の「内部資料」にすぎません(都合のよいように作成できる)。源泉徴収票は、各市町村に提出されてはじめて「公的証明力」を有することになります。(融資や賃貸住宅への入居申し込みの際に、会社が作成した源泉徴収票ではなく、市町村発行の所得証明の提出を求められることが増えています。)

 

《税務署が配付している「源泉徴収簿」》

年末調整が近づくと、税務署は年末調整に必要な書類一式を送付してくれます(大阪国税局管内の税務署)。その中に、「○○年分給与所得・退職所得に対する所得税源泉徴収簿」という、A4サイズ(印字は緑色)の用紙があるかと思います。この用紙は、給与・賞与、税額の集計から年末調整までの計算作業ができるように作られていますので、これを利用するのが賢明です。

ただし、市販の給与台帳や給与計算ソフトでも、これと同等の作業が可能ですので、その場合には、わざわざ「(税務署が配付している)源泉徴収簿」に「写す」必要はありません。

《平成15年なのに16年の用紙が同封されている?》

「扶養控除等申告書」と「源泉徴収簿」は、「平成16年分」となっています。これは、「扶養控除等申告書」は年初に提出する(そうでないと、扶養親族などの状況が分からず毎月の源泉徴収ができない)、「源泉徴収簿」は、毎月少しずつ記入しておけば年末の手間が省ける(?)ということです。

今年、扶養控除等申告書を提出していない従業員(年度途中に採用された)は、昨年配付された用紙を使用する必要があります。また、今年の年末調整の計算作業は、昨年配付された源泉徴収簿を使用しなければなりません。(15年分がない場合には、税務署に相談してください。)

 

今後も、年末調整関連の情報をお伝えしてまいりますので、引続きご覧いただきますようお願いします。

 

 

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