築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)

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最近、会計にご興味をお持ちの社長さんが随分と増えてまいりました。2000年代に入ってからは、銀行の不良債権 問題、相次ぐ上場企業の破綻、大規模なM&Aなど、会計を知らずして理解できない出来事が増えてきています。社長 さんの中には会計に関する書物を精読し、こちらが身構えてしまうほど鋭い質問をなさる方がおられます。社長さんの 多くが、自社の決算書を金融機関の厳しい審査の対象とされています。会計にご興味をもたれるのは当然でしょう。

会計全般にいえることですが、用語の定義が非常に曖昧です(注)。さらに、会計の前提には簿記という記帳集計技術 がありそれを一朝一夕に会得するのはそう簡単ではありません。会計は法律です。宿命的に受け入れなければなりま せん。会計は、企業活動の結果を明瞭に表示しなければなりません。会社案内のパンフレットのように都合のよいこと だけを書き並べればよいのではありません。

社長さんが自社の決算内容について「ある種の願望」をもたれるのは当然でしょうが、その前に企業活動の結果が、ど のように決算書に反映されるかを知っておかなければなりません。

(注)日本の会計制度が欧米から取り入れられたことに由来すると考えられます(法律、諸制度、コンピュータなど、日 本に存在する多くがそうですが)。外国語を、直訳あるいは適当な言葉が見つからず日本語化しているためでしょう。

≪会計を学ぶ≫

やはり一番手っ取り早いのは書物を読むことでしょう。書店には会計関係の書物(会計本)が無数にあります。はっきり いってお奨めできないのは、「誰でもわかる」「簡単」などが表題にある書物です。その多くが結果的に誇大かつ不誠実 な表現です。また、受験用(簿記検定や公認会計士試験など)の書物もお薦めできません。試験勉強そのままは実務 に役立たないからです。

やはり、お薦めは一般ビジネスマン向けの入門書です。会計を習得するには技術としての「複式簿記」と、理論としての 「会計学(財務諸表論)」の双方を学ぶ必要があります。両者の書物を一冊ずつ購入し、どちらか片方から、あるいは 並行して読んでください。

なお、書物の著者は学者(大学教授)と実務家(公認会計士、経理業務経験者など)に大別されますが、前者は体系的 で後者は実務的であることが通常で一長一短です。できれば両方を読むことが望まれます。また、会計においては結 論に至るまでのプロセスの説明が十人十色です。そんなことから著者との相性が大切であるのも否定できません。一 通り読んでしっくりこない場合は、他の書物へ鞍替えすことも場合によっては必要です。

最近、「連結決算」「株式評価損益」「特別利益」「キャッシュフロー」などの会計用語も一般化してきました。しかし、これ らは入門段階ではあまり重要でありません。まずは、「仕訳」「勘定科目」「試算表」「貸借対照表」「損益計算書」の意味 や位置づけを学んでください。

なお、学んだことと自社との関連の追求や願望の実現は当分お預けです。会計を本格的に学んだ人でも実務に慣れる (決算や申告ができ第三者にも説明ができる)には最低3年は要します。あせりは禁物です。

とりあえず書物の内容が理解できるようになったならば、次は経理担当者や会計事務所に質問をしてください。まったく の入門から1年もたてば必ず成果が出てきます。特に、次のことが漠然と分かってくれば成果は十分ですので、もうそ れ以上は学ぶ必要はありません。本業に専念してください。

(1)会計は会社の状態をありのまま表現する技術と理論であること
(2)決算書を通して外部者は自社をどう判断するか
(3)スムーズな事務処理(コミュニケーション)が決算作業の精度やスピードを左右すること
(4)決算書を不明瞭にしてしまう原因の多くが経営者の独善や一部社員の無軌道な行動であること
(5)会計は万能ではないこと(会計だけでは会社は繁栄しない)

≪企業会計と管理会計≫

一般的に会計は次のとおりに分類されます。

(1)企業会計(制度会計、財務会計などともいいます)
法的な要請、すなわち会社法(すべての会社)と金融商品取引法(株式を上場している企業)による決算報告です。決 算報告は事業年度(通常は1年)ごとに行われ、複式簿記による記帳の結果作成された貸借対照表は事業年度末の 財政状態を、損益計算書は事業年度を通しての経営成績を表します。当然ですが、企業会計に法的な要請がある以 上、事細かな諸基準が存在し企業はこれを遵守しなければなりません。なお、税務申告(法人税)は、企業会計の諸基 準に準拠して作成された決算書に基づき行わなければなりません(確定決算主義)。

(2)管理会計(経営会計、未来会計などともいいます)
企業が管理や経営のために、その自由な意思に基づき行う会計です。その範囲は広範で、利益計画、資金計画、予 算管理、投資の効率性計算など、企業の現在、過去、未来を様々な角度から計数を用いて検討や予測します。

多くの社長さんが不得手とするのは(1)の企業会計であると思います。従来は、企業会計は「税務署のため」に存在す るかのように考えられていました。しかし、昨今の金融機関の融資審査の厳格化や多様化は、企業会計が軽視できな いものであることを強烈に物語っています。


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)

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